RTX1100 初期設定 ファームウェア更新まで

以前の記事で RTX1100にMacからLANケーブルによる接続 を紹介したので、今回はRTX1100にログイン後に行った初期設定をメモ書き程度にまとめておきたいと思います。

環境
  • Mac OS X から telnetによる接続
  • RTX1100 (ファームウェア: Rev.8.03.61 -> Rev.8.03.94)
注意事項
  • この記事ではtelnetでログインしたRTX1100のコンソールとMacのターミナルのコンソールの2種類があります。特に明記していない場合はRTX1100のコンソールです。
  • # で始まる行はコメントとして扱います。
  • RTX1100と毎回書くのが面倒なので、以後はRTXと書きます。

 

設定
IPv4アドレスの設定

こんな感じに接続されていて、telnetでIPv6に接続している状況とします。
ここまでの設定は以前の記事を参考にしてください。

スクリーンショット 2015-12-28 12.31.46

まずは、RTXの文字コードをasciiに設定します。sjisやeucを設定すると日本語で表示できるらしいのですが、とりあえずascii(英語のみ)に設定しました。

administrator
Password: (パスワードを入力 | 初期値は無しなのでEnter)
console charcter ascii
save

これ以降はadministratorでの作業時に(admin)と書くきます。また、設定後にsaveコマンドで設定を保存する必要があるのですが、saveの記述は省略します。適当なタイミングでsaveしてください。

とりあえず、毎回IPv6のアドレスを使うのは面倒なので、IPv4でのIPアドレスを固定します。今後の運用を考えて、LAN3のIPを固定します。

(admin)

ip lan3 address 192.168.1.111/24
# 適当に自宅内で使われていなそうなipアドレスを設定
save
show config
# 一番下の行に ip lan3 address 192.168.1.111/24 と設定した値が入っていればOK
exit # adminユーザーを抜ける
exit # コンソールから抜ける

次にIPを固定したので、ルーターをハブに直接接続してIPv4アドレスでログインします。
先ほど設定したLAN3とハブを接続します。下記の図のような接続になります。

スクリーンショット 2015-12-28 16.20.38

今度は先ほど設定したIPv4のアドレスにtelnetで接続します。


telnet 192.168.1.111

設定に問題がなければ、無事に先ほどと同じようにログインすることができたと思います。

 

環境設定

参考記事 : RTX-1000の最初の基本設定 | Tomo’s page

パスワードや自動ログアウトタイムの設定

(admin)

login timer 1000 # 1000秒操作を行わないと自動ログアウト
login password # ログイン時のパスワードを設定
Old_Password: (初期値は空 Enter)
New_Password: (新しく設定するパスワード)
New_Password: (上と同じパスワード)

administrator password # administratorに移行する際のパスワード
Old_Password: (初期値は空 Enter)
New_Password: (新しく設定するパスワード)
New_Password: (上と同じパスワード)

パスワードを忘れてしまった場合は、すべての設定が飛んでしまいますがRTXのリセット(INITボタンを押しながら電源ON)を行うことにより、初期化することができます。

 

日付の設定

日付の設定は下記のコマンドで行います。

(admin)

timezone jst # タイムゾーンを日本に
date 2015/12/28 # date yyyy/mm/dd の形式で入力
time 16:27:30 # time hh:mm:ss の形式
show environment
# 設定した時刻などが表示される

ついでに、NTPサーバーの設定も行っておきたいと思います。

参考記事 : ([RTX1100] 時刻同期の設定 | 僕とガジェット)

ntpサーバーはこちらの一覧を参考に、日本標準時を利用しているNICT(国立研究開発法人 情報通信研究機構)とGPSを利用している東北大学のものを利用しました。

schedule at 1 */* 01:00 * ntpdate ntp.nict.jp syslog
schedule at 2 */* 13:00 * ntpdate ntp.tohoku.ac.jp syslog

 

ファームウェアの更新

ファームウェアのバージョンの確認はコンソールにログインした状態で

show config
# RTX1100 Rev.8.03.61 (.........)
....

と表示されます。この場合はRev.8.03.61です。最新版のファームウェアはYAMAHAのファームウェア配布ページからダウンロードすることができます。
(ファームウェア配布ページ)

また、リソースノートはこちらから。
(ヤマハ RTシリーズ用ファームウェア | リソースノート(Rev.8.03))

スクリーンショット 2015-12-28 16.41.47

2015/12/28現在では、RTX1100の最新のファームウェアは8.03.94というものがあります。このリンクから、ライセンス契約に同意するとファームウェアとMD5サムチェックというものが表示されるので、どちらもダウンロードします。スクリーンショット 2015-12-28 16.45.07

ダウンロードしてきたファイルに対して、Macのコマンドラインでmd5コマンドを実行します。

md5 rtx1100.bin
MD5 (rtx1100.bin) = 0f90f27a7e1eafd8bbd1da3c5dd1a131
cat rtx1100.md5
0f90f27a7e1eafd8bbd1da3c5dd1a131 *rtx1100.bin

md5コマンドの結果とrtx1100.md5のファイルに書かれている文字列が同じであれば、そのファイルは正常となります。

RTX側の設定

ファームウェアのアップデートをする際にtftpを用います。そこで、RTXがtftpによる接続を許可するように設定します。

(admin)


tftp host any # tftpを許可するホストを指定。 anyはどのホストからも許可

Mac側

ファームウェアをダウンロードしたディレクトリでターミナルを開き、tftpでRTXに接続しアップデートを行います。


tftp 192.168.1.111 # (ルーターのIP)
tftp> mode binary
tftp> put rtx1100.bin exec

最後のexecも忘れずに。。。

RTXにtelnetで接続している方のターミナルにこんな感じの表示が出たらOKです。更新中はRTXのLANポートのLEDやらがチカチカ光ったりしてました。


Update exec file receiving... Testing received file... Writing to Nonvolatile memory... done
Restarting ...
Connection closed by foreign host.

一度ログアウトされるので、再度ログイン。show configでバージョンが8.03.94(更新したバージョン)になっていたら完了です。

(admin)

show config
# RTX1100 Rev.8.03.94 (....
....
tftp host none # tftp でのログインを許可しない

無事にアップデートが完了です。最後にtftp host noneでtftpでのログインをできないように戻しておきます。

 

設定のバックアップ

とりあえず、ここまでの設定をバックアップしておきたいと思います。この作業を始める前に先ほどのファームウェアの更新で行ったようにtftpでのログインを許可(tftp host anyを)しておいてください。

参考記事 : TFTPサーバを起動する | えこ日記 , YAMAHA製ルータに関するページです | YAMAHAルータ

Mac側でtftpサーバーを起動します。

sudo launchctl load -w /System/Library/LaunchDaemons/tftp.plist
Password: (パスワード)
sudo lsof -i:69
# なにやらいろいろ出てくる。

tftpが起動できていれば、UDPのポート69番が利用できるようになります。上記のlsofコマンドを実行してもなにも出てこない場合はtftpサーバの起動に失敗していると思われます。

次にMac側からtftpでRTXに接続し、設定ファイルを保存します。

tftp 192.168.1.111 # RTXのIPアドレス
get config/(adminのパスワード) config.txt
# tftp接続を開始したディレクトリのconfig.txtに設定が保存される。
quit
# 終了

これで、現在の設定が保存できます。保存した設定を適応するには、まずconfig.txtの最後の行にある#saveの行頭の#を削除し、その後以下を実行で適応できます。

put config.txt config/(adminのパスワード)

バックアップが終了したら、Mac側のtftpサーバーを停止します。


sudo launchctl unload /System/Library/LaunchDaemons/tftp.plist
sudo lsof -i:69
# なにも表示されなければOK

ついでに、RTX側のtfpt host noneも忘れずに。。。

 

まとめ

無事に、初期設定からファームウェアのアップデートまで完了しました。
また、続きの設定したらメモ書き程度にブログにまとめていこうと思います。

 

余談…。

RTX1100のファームウエアRev.8.03.92ですが、リリースノートを見ると更新が2013年の12月となっています。
RTX1100の発売が2005年2月で生産終了が2011年9月。発売から既に9年が近くが経過し、生産終了ている製品に対してファームウエアの更新を出してくれています。YAMAHAさんすごい!ありがとうございます。

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